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 2005年 3月1日

平成17年第1回定例会での一般質問(原文)

○丸山銀一副議長  10番、くぼ洋子議員。
〔10番 くぼ洋子議員 登壇〕(拍手)

○10番 くぼ洋子議員  お許しをいただきまして、私は、さきの通告に従い、区長、教育長並びに関係部長に対し一般質問をさせていただきます。

  初めに、葛飾区の食育の推進についてお尋ねいたします。
  今、食をめぐる子供たちの危機的な状況が指摘されています。偏った栄養摂取や朝食をとらない欠食、一人で食べる孤食や肥満、あるいはやせ過ぎの増加などが全国的に報告され、食を通じて子供の心身にわたる健全育成を目指す食育が注目を集めています。

  そもそも食という文字は、人に良い、人を良くすると読むことができます。食は元気のもと、健康の源であり、食育は人を良く育てる、人を良くするようはぐくむことにつながります。
  さらに、むすぶ、むすび、こけむす、むすこ、むすめなどという言葉の「むす」とは、古く万葉の時代から、生き生きとした生命力があふれる元気な様子を意味しています。日本の伝統食の代表とも言えるおむすびは、実はこういった生命の源に感謝する日本人の心が込められています。
  そして、このむすぶの反意語が、今まさに憂慮されるキレるという言葉ではないでしょうか。今、食の乱れが子供たちの心や身体、頭を急速にむしばんでいるのです。

  社会の変化は、少子・高齢化だけでなく、単独世帯の増加、働く女性の増加などにより、食に関して簡便化の高まりや多様化が進んでいます。単に手づくりのものがいいという考え方だけではなく、どのように食生活を充実させるかは、一人一人の食べる力に、食に関する知識にかかっています。
  食育とは、子供のころから食べる物を選ぶ目を育て、食の大切さを学び、好ましい食習慣と豊かな心を身につける教育です。文字が読める前に、数が数えられる前にできる食育は、食べ方、選び方、組み合わせ方の基本を体で覚える、つまり体験することにあります。

  食べる力は生きる力であり、元気、健康、働く意欲にもつながる大切なことです。食育は、豊かな自然によってはぐくまれる生命のすばらしさやいとおしさを感じる心を育てる教育でもあり、今こそ家庭、学校、地域が連携して食育を推進していく必要があるのではないでしょうか。

  さて、この食育に関する国の取り組みとして、平成14年、農林水産省は食の安全国民会議を発足させ、食と農の再生プランを発表しました。そして、食育元年と言われる平成16年1月に開かれた第1回ニッポン食育フェアには、小泉総理も出席され、政府の食育に対する力強い取り組み姿勢を内外にアピールされました。
  また昨年、平成16年5月には食品安全基本法が成立し、翌月6月には、経済財政諮問会議が発表した経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004の中に、食育を推進するため、関係行政機関が連携し、指導の充実、国民的な運動の展開等に取り組むという方針までもが盛り込まれました。

  こうした動きを受け、昨年の第159回通常国会において、与党の公明党と自民党が共同して食育基本法案を提案いたしました。この食育基本法案は、食文化の喪失などといった食の危機に対し、食育を中心として国民に必要な施策を総合的にとらえ直そうとするもので、食育を徳育、知育、体育の基礎に位置づけ、国の未来を念頭に作成された画期的なものです。
  残念ながらこの法案は、現在継続審議となっていますが、この法案が成立すれば、国、地方公共団体、教育関係者、農林水産業者、食品関連事業者、国民それぞれの責務が明確になり、食育推進活動が全国的に展開されることとなるもので、一刻も早い成立が待たれています。

  そんな中、文部科学省は、栄養教諭制度を創設し、平成17年度から施行することとなりました。(発言する者あり)
  栄養教諭は、学校におけるさまざまな食に関する指導や学校給食の管理といった、学校における食育指導の推進に中核的な役割を担う者であり、大学における所要単位の修得により、栄養教諭免許状を取得するものです。現職の学校栄養職員には、一定の在職経験と、都道府県教育委員会が実施する講習などにおいて所定の単位を修得することにより免許状を取得できるよう、法律上の特別措置が講じられているものです。
  また、栄養教諭の配置は、地方公共団体や設置者の判断によることとされており、公立小中学校では都道府県教育委員会の判断によって配置されることとなっています。現在、北海道、茨城県、大阪府、高知県などでその配置が準備中と伝えられております。

  茨城県では、子供の心と体をはぐくむ食育を推進させるため、平成13年に茨城県食育推進行動指針を策定し、県栄養士会と連携して、子どもの食育に関する実態調査を実施、さらに食育支援ネットワーク会議の設置、食育推進に関する具体的な目標値を設定するなど、国に先駆け具体的、効果的な事業を展開しています。
  また、北陸若狭湾のほぼ中央部に位置する福井県小浜市では、平成13年4月、小浜市市民憲章を制定し、この中で、豊かな自然を守り、食文化のまちづくりを進め、健康ともてなしの心を大切にしますとうたい、心安らぐ美食の郷・御食国おばまの実現を目指しています。

  私も1月17日、みぞれ降る小浜市を視察してまいりました。若狭おばま食文化館で開催されたおむすびを考えるシンポジウムに参加するためです。
  小浜市は、平成13年9月に小浜市食のまちづくり条例を制定しました。この条例に基づいて小浜市では、全国で初めて食育職という職種を設け、食のまちづくり課の専門職員として配置するなど、生涯にわたる食や食生活の大切さを食育を通じて学べるよう、食育事業に力を入れていました。
  余談になりますが、私が視察をした1月17日は阪神・淡路大震災の10周年に当たる日でもありました。あの悲惨な大震災の際に、善意で寄せられたおむすびが被災者たちの命をつないだことから、1月17日をおむすびの日と定められているということも初めて知りました。

  このように、国においても地方においても、その重要さが認識され、その推進が求められている食育について、葛飾区の取り組みについて質問させていただきます。

  まず初めに、平成17年度から新たに施行され、学校における食育推進の中核的な役割を担う栄養教諭制度について、都内の小中学校でも活用できるよう、東京都教育委員会に対し、その導入を強く働きかける必要があると思いますが、いかがでしょうか。

  さて、先日私は、地元の学校栄養士さんからお話を伺いました。その方は、保護者向けの給食だよりを毎月さまざまな工夫をして発行しており、子供たちにも保護者にも非常にわかりやすいと好評を得ておられます。改めて現在の学校給食の内容に感動いたしました。
  ご自分のこれまでの経験を生かし、現場で子供たちの反応を見ながら十分な検証のもとに献立や食材を考えるだけでなく、でき上がった給食や楽しそうな子供たちの給食風景などをデジカメで撮って、データベースとして整理されているものも見せていただきました。しかしながら、学校で一人だけという栄養士が、新たな食育の推進という課題に対応していくためには、幾つもの条件整備をしていく必要があると思います。

  そこで、お尋ねいたします。
  区全体の学校栄養士のレベルアップを図るため、現場の声や各栄養士のさまざまな工夫の実績などの情報を、簡単に相互に伝達できるような仕組みを考えるとともに、学校栄養士らの研究会の活動をさらに活性化するべきと思いますが、いかがでしょうか。

  また、栄養教諭資格の取得を希望する学校栄養士に対し、本人が講習などにおいて所定の単位を修得するため、区としてさまざまな支援をするべきと思いますが、いかがでしょうか。
  さらに、区内の小中学校において、区が独自に栄養教諭を採用するなどして、本格的な食育教育を始めるべきと思いますが、いかがでしょうか。

  さて、食育に関しましては、平成15年第4回定例会において、我が会派の黒柳議員が幾つかの提言を行っています。そこで、そのときの受け答えをもとに、改めてお尋ねをいたします。
  まず、食育は、生命の誕生の前後にかかわる母親学級や乳幼児健診などのタイミングから、きめ細かな啓発・指導が求められています。保健所においては、単に栄養指導の域にとどまらない、食育という視点からの施策を推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか。

  また、乳幼児期の親への食育指導について、さらに工夫を凝らして指導に努めるという答弁がありましたが、それ以降どのように工夫を凝らされたのでしょうか。
  同じく、児童館での集団指導については、現場の児童館からの求めに応じて行っている事業であり、子育て支援部との連携を深めながら、食育の視点を踏まえた食生活指導の充実に努めるという答弁がありました。これについても、その後、どのように充実に努めたのでしょうか。また、本来は食育のリーダーシップを保健所が担う必要があり、これについても保健所が主体となって推進していくべき事業だと思いますが、いかがでしょうか。

  さらに、乳幼児健診などにおきましても、子育て中の母親の心をつかむなど、時代のニーズにあわせた工夫や、食育の視点に立った栄養指導を心がけるなど、保健所栄養士のより一層のスキルアップを図るべきと思いますが、いかがでしょうか。

  最後に、葛飾区における食の危機から子供たちや区民を守るため、保健所が核となって保育園、学校、医療機関、社会教育施設、高齢者施設などとの食育ネットワークを構築するとともに、ホームページなどを活用した積極的な情報発信を行うなど、食育のさらなる推進を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。


  次に、ユニバーサルデザインについてですが、今回はバリアフリーからユニバーサルデザインへ、そしてユニバーサル社会の実現へをテーマに、単にハードの分野の話だけではない、だれもが誇りを持って自立できる社会の実現、心のユニバーサルデザインについてお尋ねいたします。

  現在、我が国は少子高齢化が急速に進行し、経済社会のあらゆる面において、かつて経験したことのない深刻な変化に直面しています。
  平成15年度の厚生労働省の高齢社会白書によると、我が国の高齢化の今後の推移は、平成27年には26%、平成62年には35.7%に達すると伝えられています。
  今後、これらの変化や課題に対応していくには、障害者や高齢者が安心して生活できるよう施設や設備などのバリアフリー化を進めていくだけでなく、さらにその考え方を深めて、社会の制度や仕組みにおいても障害の有無、年齢などに関係なく、一人一人がそれぞれ対等な社会構成員として自立し、相互にその人格を尊重し支え合う社会、つまりユニバーサル社会の実現を目指していかなければならないものと思います。

  最近はあちこちで聞くバリアフリーやユニバーサルデザインという言葉ですが、この違いは何でしょうか。
  例えば、車いすを利用されている方のために、階段に車いす専用の昇降機を設置すること。つまり、まちや社会にあるバリアを排除するのがバリアフリーであるのに対し、車いす利用者だけでなく、ベビーカーや重たい荷物を持った人にも使えるようなエレベーターを設置しておく。つまり、初めからすべての人に対してバリアをつくらないような配慮をすることがユニバーサルデザインであると言えると思います。

  また、ユニバーサルデザインには七つの原則があります。
  その第一は、公平性です。つまり、だれにでも同じ手段で、方法で利用できるという考え方です。
  第二は、自由性、柔軟性です。高さが調節できるいすや、左右両用のはさみなど、自由度の高い使い方ができることが重要です。
  第三は、単純性です。テレビやビデオなどの複雑なリモコンは、高齢者や障害者には使いづらいものです。
  第四は、わかりやすさです。色分けした薬の袋や色のはっきりした階段の滑りどめなど、必要な情報がすぐに理解できることが求められています。
  第五は、安全性です。センサーつきの自動ドアや窓のあいたエレベーターなど、うっかりエラーや危険に結びつかないことが大切です。
  そして第六は、省体力という考え方です。無理な姿勢や強い力がなくても楽に使えるという配慮も必要です。
  最後の第七は、スペースの確保です。幅の広い改札口など、どのような条件の人が通ろうとしても対応できるスペースをあらかじめ確保しておくという配慮です。

  では、今なぜユニバーサルデザインなのでしょうか。
  それは、これまでのものづくりは、あくまでミスターアベレージ、つまり健康で体力のある若い男性を基準とされてきたという背景があります。そこに急速な少子高齢化や国際化、ノーマライゼーションの機運の盛り上がりなどといった要素が加わったために、必然的に生まれてきた配慮の心、人へのやさしさ、それがユニバーサルデザインであると言っても過言ではないでしょう。

  そして、さらに、これまでの福祉の現場は、ともすると税金から幾ら取ってくるかといった考え方に偏りがちで、それが逆に、働きたい障害者の意欲を奪うという状況を招くことにもなっていた面があることから、そういった福祉観、労働観の転換を図る必要性を叫ぶ人もいます。

  そうした時代背景のもとに生まれたのが、昨年6月16日、第159回通常国会最終日に、参議院本会議において全会一致で可決されたユニバーサル社会の形成促進に関する決議だったのです。
  この決議では、ユニバーサル社会形成促進のための推進体制の確立、ユニバーサルデザインの考え方の普及、障害者、高齢者に対する支援体制の整備、そしてユニバーサルデザイン化による製品、施設などの普及と利用の促進といった総合的な社会環境の整備について、必要な法制上、財政上の措置などを一層強化すべきと記されております。

  私は、去る1月26日、ユニバーサルデザインの先進都市である静岡県浜松市を視察してまいりました。
  浜松市は、平成12年、都市計画課にユニバーサルデザイン室を設置し、その推進に着手しました。そして、翌平成13年に、ユニバーサルの「U」と、優しいという漢字の「優」を取って「U・優プラン」と題したユニバーサルデザイン計画を策定したのです。
  このU・優プランの基本理念は、思いやりの心が結ぶやさしいまちであり、それを実現するためには、具体的には、心やさしい人づくり、市民が自立できるまちづくり、歩きたくなる安心・安全なまちづくり、利用したくなる施設づくり、そして使ってみたくなるものづくりを着実に推進していこうというものでした。

  さらに浜松市は、平成14年、この考え方を広く内外に普及させるとともに、ユニバーサルデザインによるまちづくりの取り組みをより実現力あるものとするため、ユニバーサルデザイン条例を制定したのです。
  この条例によると、ユニバーサルデザインの定義を、年齢、性別、国籍等、人々が持つさまざまな特性や違いを超えて、すべての人に配慮して、心豊かな暮らしづくりを行っていこうとする考え方とし、この条例によってすべての人がお互いの立場を理解し、尊重し合い、さらに市民、事業者や市が協働して思いやりの心が結ぶやさしいまちの実現を図ることを目指しているのです。
  また、この条例では、市民の役割、事業者の役割や市の役割を明確にした上で、具体的に学術機関との連携や学校教育における取り組み、社会教育における取り組み、公共施設等の整備、公共交通事業者等の努力などを定め、確実なる成果を上げていました。

  このように、ユニバーサルデザインは、行政のさまざまな施策を推進していく上でも重要な視点の一つであり、避けては通れない考え方であると思います。

  そこで、お尋ねいたします。
  まず第一に、本格的な高齢社会に対応するため、自宅から徒歩、自転車、公共交通機関などで行ける範囲に、医、職、住、遊など日常生活の諸機能が集約された安心、快適の歩いて暮らせる生活圏を形成する必要があります。そのためにも、ユニバーサルデザインの視点を持ったまちづくりを推進する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

  また、区有施設の見直しにあっては、現在の施設白書や施設台帳の中に、ユニバーサルデザインの視点に立ったチェック項目が不可欠です。これらのデータにユニバーサルデザインの視点に立ったチェック項目を加え、その上で検討するべきと思いますが、いかがでしょうか。

  最近、地下鉄の路線図が、色覚障害を持つ方々のためにいろいろな配慮が加えられて好評を博しています。初めからこのようなつくり手側のちょっとた工夫や配慮があれば、後から多額の追加コストをかけて改善することも不必要となります。問題は、つくり手側のきめ細かな心配りなのです。
  広報紙、ホームページ、各種チラシなど、区から発信されるさまざまな情報については、色覚バリアフリーを初めとしたさらなるユニバーサルデザイン化を推進するべきと思いますが、いかがでしょうか。

  ユニバーサルデザインについては、その歴史もまだまだ浅く、また本来の意味するところが、なかなか正しく区民の方々に浸透されているとは言いがたい現状にあるのも事実です。ユニバーサルデザインに対する区民の意識啓発のための出前講座、リーダー養成講座あるいはUDフェアや職員研修等を実施するなど、心のユニバーサルデザインを積極的に推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか。
  また、学校教育、社会教育などの教育の分野においても、バリアフリー体験学習などにとどまることなく、ユニバーサルデザインの考え方の啓発を行うなど、心やさしい人づくりを推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか。
  さらに、区役所の中においても、全庁を横断的に取りまとめる、ユニバーサルデザインを専門に担当する組織、リーディングプロジェクトを早急に立ち上げるなどして、区のすべての施策にユニバーサルデザインの視点を取り入れていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

  ユニバーサルデザインについては、その歴史もまだまだ浅く、また本来の意味するところが、なかなか正しく区民の方々に浸透されているとは言いがたい現状にあるのも事実です。ユニバーサルデザインに対する区民の意識啓発のための出前講座、リーダー養成講座あるいはUDフェアや職員研修等を実施するなど、心のユニバーサルデザインを積極的に推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか。
  また、学校教育、社会教育などの教育の分野においても、バリアフリー体験学習などにとどまることなく、ユニバーサルデザインの考え方の啓発を行うなど、心やさしい人づくりを推進していくべきと思いますが、いかがでしょうか。
  さらに、区役所の中においても、全庁を横断的に取りまとめる、ユニバーサルデザインを専門に担当する組織、リーディングプロジェクトを早急に立ち上げるなどして、区のすべての施策にユニバーサルデザインの視点を取り入れていくべきと思いますが、いかがでしょうか。

  区長の積極果敢なご答弁に期待をして、私の質問を終わらせていただきます。
  ご清聴ありがとうございました。(拍手)


○丸山銀一副議長  区長。
〔青木 勇区長 登壇〕

○青木 勇区長  くぼ議員のユニバーサル社会の実現についてのご質問にお答えをいたします。

  日本におけるユニバーサルデザインは、1970年代初頭に生まれた福祉のまちづくり運動を契機として、まずバリアフリーという狭義のまちづくり運動として推し進められてきたと認識をしております。しかしながら、最近では、単なるバリアフリーではなく、それをさらに進めて、障害や年齢、国籍、性別などの違いを超えて、すべての人が暮らしやすいようにまちづくり、ものづくり、環境づくりなどを行っていこうという考え方が広まってきたわけでございます。

  国土交通省では、ユニバーサルデザインの考え方に基づくバリアフリーのあり方を考える懇談会が設置をされて、ソフト面を含めた総合的な検討が進められるとともに、東京都においても福祉のまちづくり推進協議会において検討が進められ、福祉のまちづくりの新たな展開として、昨年7月に中間報告がされております。また、ご質問にありますように、独自の条例や計画を策定し、先進的な取り組みを実施している自治体も出てきているわけでございます。

  葛飾区におきましても、平成9年度から障害者や住民を交えて道路を点検し、改善をするバリアフリー点検を先進的に実施をするとともに、今年度からは、交通バリアフリー法に基づく本区の交通バリアフリーの基本構想の策定に着手をし、安心・快適なまちづくりを推進しております。
  また、区有施設については、新築や大規模な改修を行う場合などには、東京都福祉のまちづくり条例等に基づいて、トイレの改修等バリアフリーの視点に立って進めるとともに、平成15年度に行った区のホームページのリニューアルに際しては、音声のみによっても内容が理解できるよう、視覚障害者が使用している音声読み上げソフトに対応した構成に改修するなど、高齢者や障害者に配慮した機能を付加するなどの改善を行ってまいりました。

  さらに、お話にありますように、ユニバーサル社会を実現していくためには、区民の方々の意識を啓発していくことが重要でありまして、学校教育においては、社会福祉協議会と連携をしてバリアフリー体験学習を実施し、社会教育の分野においても、今年度、国土交通省や京成電鉄等と連携をしまして、交通バリアフリー教室を実施するなど、バリアフリーに向けた取り組みを計画的に行ってまいりました。

  しかしながら、今後まちづくりを進める上では、これまでのバリアフリーの考えを一歩進めて、だれもが使いやすく、必要な情報が容易にわかるというようなユニバーサルデザインの考え方を基本としたまちづくりの実現が大きな課題となっております。平成17年度より、企画課を中心として具体的な検討を始めたいと考えております。

  ご質問にございます、安心・快適の歩いて暮らせるまちづくりの推進や、区有施設におけるユニバーサルデザインの視点に立った点検の実施などハード的な施策から、広報紙等さまざまな区政情報発信、学校教育や社会教育などにおける啓発活動などのいわゆるソフト的な施策を含めた総合的な推進について検討を進めてまいりたいと考えております。

  また、ユニバーサルデザイン条例の制定につきましては、東京都の福祉のまちづくり協議会における最終答申などを参考としつつ、区として独自の条例を策定し進めるのが有効であるかどうかなどの検討をした上で必要な対応を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

  なお、食育の問題につきましては、教育長及び所管の部長から答弁をいたさせます。


○丸山銀一副議長  教育長。
〔山崎喜久雄教育長 登壇〕

○山崎喜久雄教育長  栄養教諭制度についてのご質問にお答えをいたします。

  子供たちが将来にわたって健康に生活できるようにするためには、学校給食や子供たちに対する食育を充実し、望ましい食習慣の形成を促すことが重要であると考えております。とりわけ、食育の充実は、生きる力の基礎となる健康と体力をはぐくむほか、食文化の継承、社会性の涵養などの効果も期待できるものと考えております。
  そのためには、食育を推進する中核的な役割を担うとされる栄養教諭の配置は極めて重要であると考えております。
  現在、東京都におきましては、栄養教諭の任用、職務内容等について検討していると聞いておりますが、区といたしましては、早期に栄養教諭が区内の小中学校に配置されるよう、東京都に対し要望してまいりたいと考えております。
  以上でございます。


○丸山銀一副議長  教育振興担当部長。

○柏崎裕紀教育振興担当部長  学校栄養士らの研究会活動の活発化についてのご質問にお答えいたします。

  学校給食は、日常生活における食事についての正しい理解と学校生活を豊かにする明るい社交性を養うとともに、食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図り、食糧の生産、配分及び消費について正しい理解に導くことを目的としております。そして、学校栄養士が学校給食の栄養に関する専門的な事項をつかさどる職員として小中学校に配置されるとともに、最近では、特に食育の指導に積極的に活用されている現状にあります。

  このように学校栄養士の職務の重要性が増す中で、学校栄養士の研究会では、食に関する指導並びに献立、調理に関する研究や食に関する講習会を開催しており、教育委員会では、研究会への補助や学校栄養士新規採用者研修会での指導、助言等を行い、資質の向上に努めているところでございます。
  教育委員会といたしましては、今後とも学校栄養士の研究活動を積極的に支援していくとともに、区独自の学校栄養士研修や研究会を効果的に実施してまいりたいと考えております。

  次に、栄養教諭資格の取得を希望する学校栄養士に対しての支援についてのご質問にお答えいたします。
  栄養教諭の免許取得の認定講習につきましては、東京都が実施に向けて文部科学省と実施時期等の調整を行っていると聞いております。したがいまして、教育委員会といたしましては、今後、学校栄養士が栄養教諭の免許取得のための認定講習等に参加することを前提にして、東京都教育委員会と連携を図り、それに向けた支援体制づくりを検討してまいりたいと考えております。

  次に、区独自の栄養教諭の採用についてのご質問にお答えいたします。
  今般の栄養教諭制度の創設にかかわって、東京都において全校に栄養教諭が配置されるまでの間、区が独自に栄養教諭を採用してはどうかとのご要望でございますが、栄養教諭に限らず教諭の採用につきましては、任用上、身分上の問題点も多く、区独自の採用は大変難しい状況にあります。
  お話にありましたように、本格的な食の教育を推進するためには、栄養教諭の活用が有効な方法ではないかとのご指摘はそのとおりであると考えております。
  そこで、教育委員会といたしましては、学校栄養士の多くが栄養教諭の資格取得ができるように支援をしていきますとともに、平成20年度までに栄養士未配置校のすべてに、非常勤ではありますが、栄養士を配置する予定であります。(「別の問題だよ、それは」との声あり)
  今後、区独自で採用する非常勤の栄養士につきましても、研修等を通して資質や能力を高めながら本格的な食育を推進してまいりたいと考えております。
  そして、全校に栄養士が配置されることによって、例えば、栄養士が学校行事にあわせた多様な給食を提供することを初め、これまで余りできなかった葛飾産の農産物等を食材に取り入れた学校給食を提供したり、給食時にその食材をもとにした葛飾区の農業や産業などについて触れることもできるようになり、(発言する者あり)食育や健康教育以外の面でも教育的効果が期待できるものと考えております。(発言する者あり)
  教育委員会といたしましては、今後とも学校栄養士が中心となった食育が各校で一層充実するよう取り組んでまいりたいと考えております。
  以上です。


○丸山銀一副議長  保健所長。

○伊藤史子保健所長  保健所における食育の推進についてのご質問にお答えいたします。

  現在、子供を取り巻く食環境の変化や食生活の乱れ、思春期やせ症の問題など、食に関する問題が顕在化しており、子供の栄養改善だけでなく、家族形成や人間性の育成など、食を通じた子供の健全育成、いわゆる食育の視点を踏まえた取り組みが大切であると認識しております。
  食育とは、人々が人間らしく生きる、生活する資源としての食、同時に健康の資源でもある食を営む力を育てることと言われております。

  保健所においても、栄養指導の域にとどまらず食育という視点を踏まえ、乳幼児健診時に医師、保健師、栄養士による離乳食指導や育児学校、育児グループに対する食生活指導など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
  今年度さらに、教育委員会や子育て支援部と連携して、中学生のための栄養講座や夏休みチャレンジ講座を開催し、一層の推進に努めたところでございます。

  次に、乳幼児の食育指導についてでございますが、今年度、食育に関する指針を作成し、それをもとに乳児、2歳児、3歳児の年代ごとの目標の設定や保護者の対応方法などについてきめ細かく指導を行うとともに、栄養士を中心に個々の状況に応じた相談を受け付け、保護者の食に関する不安の解消に努めてきたところでございます。
  また、児童館における集団指導への取り組みでございますが、子育て支援部と一体となって継続的に実施しております。
  平成15年度については、23館延べ359組の親子に、食を営む力を育てることを目的に、よりよい食習慣を築くために必要なことは何かなどを中心に、指導や相談を実施したところでございます。
  ご指摘のように、母親の心をつかむなど時代のニーズにあわせた工夫や食育の視点に立った栄養指導を行っていくために、栄養士のスキルアップを図ることが大切であると認識しております。
  現在、特別区が実施する専門研修や研究会への参加、専門誌やインターネットを活用した情報収集などを通して、栄養士の資質の向上を図っているところでございます。
  食育について、各セクションが情報の共有を図り、共通の認識を持つためには、ネットワークの構築が必要であると考えております。

  今後、保健所が核となり、子育て支援部や教育委員会など関連部局との連携体制の強化に取り組んでまいりたいと存じます。また、情報発信についても、ホームページでの多様な情報の提供など、工夫を凝らした情報発信に努めてまいりたいと考えております。
  現在、国会において食育基本法の制定について審議がなされており、食育について国を挙げて取り組む機運が高まっております。保健所といたしましても、食育の重要性を認識しつつ、今後、子育て支援部や教育委員会と連携を図りながら、食育に対する主体的な取り組みを行ってまいりたいと存じます。
  以上でございます。

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