■ くぼ洋子の一般質問とその答弁の要旨
● 【1】新型コロナウイルス感染症対策について
新型コロナウイルス感染症はいっこうに収束の兆しが見えず、変異種の発生により、徐々に若年層にまで重症化傾向が及んでいます。ここに、この感染症でお亡くなりになられた方々と御遺族の方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、感染されて闘病中の方々の一刻も早い回復をお祈り申し上げます。
そこで、はじめに、新型コロナウイルス対策について質問いたします。いわゆる第5波は、これまでとは比較にならないほど感染者が急増しています。その原因とも言われるデルタ株は特に感染力が高く、いっこうに収束の見通しが立たない現状にあります。
変異株によって感染力が大きく変わってきたのであれば、感染防止対策もそれに合わせて変えていく必要があります。
《質問1》
デルタ株の流行や今後さらなる変異株の流行を見越した感染防止対策の徹底とともに、区民に求める感染防止対策の変更点などを、より一層分かり易く発信していくべきと思いますがいかがでしょうか。
《健康部長答弁》
情報の発信については、これまでも広報かつしかをはじめ、あらゆる手段を活用し、状況の変化に応じて、繰り返し実施してきているところです。今般のデルタ株流行についても、状況を的確にとらえ、例えば、ソーシャルディスタンスを十分保つこと、食事中でも会話するときにはマスクを着用、窓開けだけでなく、風が通り抜ける対応を促すなど、区民の皆さんがより具体的な行動を意識できるような工夫をし、繰り返し、様々な機会や媒体を通じて情報発信を行ってまいります。
入院が困難で在宅療養を余儀なくされている方への酸素濃縮装置やパルスオキシメーターについても、必要とされる方全員にはお届けできていない状況にあると聞いています。そうした状況を早く的確に捉え、より効率的、効果的に使用できるよう、保健所のさらなる体制の強化と、医師会や病院など関係機関との一層の連携強化が求められていると思います。
《質問2》
健康部のさらなる体制の強化と、地域医療機関など関係機関との一層の連携強化を図り、一致団結してこの難局を乗り越えていくべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
保健所の体制強化については、第5波への対応強化のため、全庁的な応援体制を組むとともに、今月1日からさらに管理職を含む組織の増強を図ったところです。また、医師会や歯科医師会、薬剤師会、病院連絡会や訪問看護ステーションなどの関係機関とは、これまでも綿密な連携を図り、ワクチン接種をはじめとする対策に取り組んでまいりました。
現在、第5波の拡大により、自宅療養者への酸素投与など、自宅療養に必要な対応の強化を図っているところですが、関係機関とさらに連携協働し、区と地域医療機関が一致団結して、この難局の対応にあたってまいります。
● 【2】新小岩北地域複合施設の整備について
次に、新小岩北地域複合施設の整備について質問いたします。
この複合施設につきましては、今から11年前の平成22年第4回定例会の一般質問で私から、用途が廃止された旧松上小学校とその周辺の合計約1万7千平方メートルにも及ぶ公共施設敷地について、旧松上小学校用地を核とした再編整備計画を策定する必要があると訴えたことから、その検討が始まりました。
その後、旧松上小学校跡地には総合病院が誘致され、残った敷地について、交流、健康、子育てなどといった各機能を複合化して整備・展開する区内初の複合施設の整備検討が進められてまいりました。
そこでまず初めに、地元議員と共に要望したことで新たに加えていただいた『療育』部門についてお尋ねいたします。
言うまでもなく『療育』とは、生まれてくる子ども一人ひとりの特性に合った成長へのサポート、あるいはかかわりのことで、昨今、子育ての中でも特にニーズが高まっている分野です。地域の中での療育環境の充実は、その保護者の心の安定をもたらし、無理解から来る虐待、偏見といった問題の解決にも繋がっていくことが期待されています。
現在、本区には3つの児童発達支援センターがありますが、今回の新小岩北地域の複合施設には児童発達支援事業所、いわゆる子ども発達センター分室という位置付けであり、重度及び医療的ケア児の療育希望に十分応えられるかどうか不安が残る現状です。
さらに、重度及び医療的ケア児の療育希望が増えていることから、その運営主体についても、既存の事業受託法人などで、その受託能力も限界に来ているとも聞いています。
《質問1》子ども発達センター新小岩分室の運営方法の再検討について
ア、療育の質を高め、より良い療育環境の整備を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
イ、本区の療育部門での果たすべき役割をどのように認識し、新小岩分室での運営において事業を展開していくお考えなのでしょうか。
《福祉部長答弁》
新小岩地区には、中軽度の発達の遅れがある児童が利用する療育施設がないことから、平成29年度に、管理運営を業務委託する方法により、児童発達支援事業を(仮称)葛飾区新小岩地域活動センター内に整備することを計画したところです。(仮称)葛飾区新小岩地域活動センター内の児童発達支援事業所、(仮称)子ども発達センター新小岩分室の開設にあたっては、こうした変化を踏まえ、当初予定していた中軽度の対象者に加え、重度の発達の遅れがある児童、医療的ケアが必要な児童、肢体不自由児等も対象として、事業を展開していく必要があると考えています。
また、(仮称)葛飾区新小岩地域活動センター内に保健センターや子ども未来プラザが併設されることの利点を生かし、母子保健や保育事業等との連携により、療育の充実を図る必要があると考えています。
(仮称)子ども発達センター新小岩分室の運営については、これらの今後の事業展開に確実に対応できる民間事業所があるか、区内外の社会福祉法人等の動向を見極める一方で、区直営で運営することも視野に、どのような方法が望ましいのか、現在検討しているところです。
ウ、社会状況の変化や重症心身障害児等の施設需要も増大する中、医療的ケア児やその家族を支援するため国や自治体に必要な対応を求める法律が本年6月に成立するなど、療育分野の対応の拡大が求められていることから、イムス東京葛飾総合病院との連携を推進するとともに受け入れ枠の拡充を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《福祉部長答弁》
本年6月に成立した「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」では、地方公共団体は、国と連携を図り、医療的ケア児とその家族に対する支援施策を実施する責務を有することが定められ、区としても医療的ケア児に対する支援の拡充が必要であると考えています。
このため、(仮称)子ども発達センター新小岩分室においても、重度心身障害児や医療的ケア児を対象に、どのような事業展開が可能か、検討しているところです。隣接するイムス東京葛飾総合病院との連携については、今後、具体的にどのような連携が可能か、関係部署とも協議し、検討していまいります。
今回の新小岩北地域の複合施設のコンセプトの一つに、「あらゆる年代が気軽に立ち寄れ、心地よく充実した時間を過ごせる場をつくることで、賑わいの拠点とする。」というテーマが掲げられています。
この賑わいの拠点とは、この施設に用のない人でも立ち寄れる、好奇心が掻き立てられる、美味しい、楽しい、嬉しい出会いがあるなど、面白くて行ってみたくなるような、そんな空間を意味するものに他ありません。
そして、このテーマを実現するためには、ウエルカムな雰囲気が醸し出されるカフェの設置が不可欠だと思います。さらにこのカフェは、従前の公共施設にあった簡易な喫茶スペースあるいは喫茶コーナーといったものではなく、特に若者世代やヤングパパ・ママたちにも人気のある大手カフェチェーンなどの誘致のための『賑わい創出予算』を計上するなど、この複合施設のコンセプトの実現を図る必要があると思います。
さらに、新小岩地域には、モンチッチで世界的に有名な株式会社セキグチがあり、こうした企業のご理解のうえでご協力をいただくなど、積極的に活用を図っていく必要があると思います。
《質問2》新たな賑わいの創出について
ア、「にぎわいスペース」での新たな賑わいの創出を目指すためには、憩いの場としてのカフェコーナーの位置づけを重視すべきと思いますがいかがでしょうか。
《施設部長答弁》
現在、「にぎわいスペース」の活用方法のひとつとして、「カフェ」の設置を計画し、来年夏のオープンに向け、様々な事務作業を進めているところです。カフェ運営にあたる事業者は広く一般公募する予定ですが、カフェの運営を円滑に実施できるよう、「にぎわいスペース」内にシンクやコンロなどを区で設置いたします。
今後、事業者が決定した後には、施設を利用する方々の憩いの場としての快適性等の向上のみならず、施設の魅力や賑わい、周辺地域の活性化につながるような視点を念頭にカフェ事業者と協働しながら、より良い事業展開が図れるよう努めてまいります。
イ、大手カフェチェーンの誘致なども可能となるよう、これまでにないような『賑わい創出予算』を計上すべきと思いますがいかがでしょうか。
《施設部長答弁》
当初、区では「にぎわいスペース」への大手カフェチェーンの出店の可否を探るため、いくつかの大手カフェ企業に声掛けをいたしました。しかし、大手カフェ企業には、店舗面積や駅からの距離、時間、店舗前を一定時間内に通過する通行人の人数など、独自の新規店舗開設基準が定められており、(仮称)葛飾区新小岩地域活動センターはこれらの基準に合致しないことから、大手カフェ企業の出店は叶わなかったという経緯があります。
現在のところ、(仮称)葛飾区新小岩地域活動センターにおける、賑わいのために考えている具体的な予算措置につきましては、カフェ事業のための厨房設備設置や地域地場産業とのコラボ事業など、多方面な取り組みを想定して計上していく予定です。
ウ、地域キャラクターの協力を求め、その活用を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《施設部長答弁》
(仮称)葛飾区新小岩地域活動センターでも、モンチッチとのコラボレーションを目指し、製造元である株式会社セキグチに協力依頼をし、調整を進めているところです。取組みとしては、南側正面の出入口にあるエントランスホールにモンチッチのぬいぐるみやグッズなどを展示したり、職員が着用するエプロンにモンチッチをデザインしたり、診察室の壁にモンチッチのシールを張り付けたり、また、児童らが遊ぶ部屋にビッグサイズのモンチッチのぬいぐるみを配置したりなどを検討しております。さらに、イベント時での着ぐるみの出演や外構部分にモンチッチを生かした整備なども考えております。
この複合施設では、多岐にわたる事業が行われることから、これらの事業を所管する各部・各課を超えた連携が必要となり、施設全体をまとめていく施設長の役割は複雑多岐にわたります。
《質問3》施設管理・運営・調整業務、施設管理者について
ア、子ども未来プラザ、保育園、保健センター、子ども発達センター、学び交流館などの連携・事業調整の主体となる組織及び施設管理者が必要となると思いますがいかがでしょうか。
イ、施設管理・運営・調整業務に加え、賑わいの創出や施設内事業の連携を担うキーマンとしての施設管理者の役割の明確化を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
当センターは、子ども未来プラザ、保健センター、児童発達支援事業所、地域コミュニティー施設から成る複合施設であり、これらの事業がそれぞれ自己完結するのではなく、同一建物にあるメリットを生かし、連携が必要な場面では協働で対応することにより、利用者にとってワンストップで充実したサービスを受けられることになります。そのためには、事業所管を超えて、現場で連携・調整を図る権限と役割を持つ施設管理者が必要であります。
施設管理者の役割としまして、こうした施設内事業の連携・調整に加え、公益的活動を行う地域団体と施設内事業との連携、地域課題解決のために地域団体が行う活動への支援、そのほか、貸し部屋の利用促進や共用スペースの有効活用により、たくさんの方々にご利用いただき、賑わいを創出することなどを考えております。
こうした役割を担う施設管理者がキーマンとなって、広い視野から施設内事業の連携の種を発見し、また、地域の団体や事業者との協働関係を丁寧に構築することで、様々な主体をつなぎ、相乗効果を上げ、さらに新たな利用者を呼び込むなど、喜ばれ、成長し続ける施設を目指してまいります。
これらの施設の設置及びその管理に関する事項は条例で定める必要がありますが、複合施設を形成する事業所ごとの従前の設置条例に追記をするだけでは、この複合施設のそもそもの施設整備の考え方や設置の目的などが規定されるものではありません。実際に他の自治体では複合施設の設置条例を定めて全体を統括するケースも少なくありません。
今年3月の予算審査特別委員会第2分科会での私の質問にご答弁いただいた青木区長さんの「責任の問題や補助金などの問題で縦割りを前提とした集合体となってしまい、悪く言えば雑居ビルのようになってしまうのは大変問題ですので、そうならないよう取り組んでまいります。」というお言葉は、大変心強く受け止めさせていただきました。
《質問4》
複合施設を形成する事業所ごとの設置条例だけではせっかくの複合施設のメリットを活かせないだけでなく雑居ビルとなることも懸念されることから、施設全体を統括する複合施設設置条例、あるいは基準、指針といったルールを制定し、その下に各施設の設置条例を位置づけて運営するべきと思いますがいかがでしょうか。
《地域振興部長答弁》
施設の設置条例としましては、事業それぞれの根拠となる条例を改正することで必要十分となります。ただし、施設全体を統括し、複合施設のメリットを活かすために、施設管理者を配置してまいります。この施設管理者は、施設内の点検・保守や日常の管理・運営に止まらず、各事業の内容まで踏まえた連携・調整や、地域との協働、支援などのコーディネート業務を展開します。
業務の連携・調整につきましては、職員の実践の拠り所となる基準や指針を制定し、施設管理者のリーダーシップの下、施設の目指す方向や目標として職員全体で共有し、複合施設のメリットを最大限活かしてまいります。
令和4年7月にはプレオープンが予定されています。ただし、新しい建物部分が竣工しても、旧保育園や学び交流館が残っていて、保育園の園庭はその跡に作ることから、南側入口前の前庭はしばらくの間、未整備の状態が続いてしまいます。このように変則的なプレオープンだからこそ、各種のイベントやオープン時の工夫が必要です。
また、フラッシュライトや磁気ループ、音声ガイドなど、すべての人にやさしい装備を理解し、体感していただけるような仕掛けも必要です。
《質問5》複合施設の開設に向けて
ア、区内初の複合施設のメリットをどうやって体感・実感していただくお考えなのでしょうか。
イ、本来は、来て、見て、使って地域力に繋げていくプレオープン時の工夫が必要と思いますがいかがでしょうか。
《地域振興部長答弁》
複合施設の開設時には、内覧会とオープニングイベントを予定しております。内覧会は、施設内を見ていただき、特徴を説明することが中心となります。オープニングイベントでは、各事業所管がそれぞれ事業の内容や特色を知っていただくために趣向を凝らします。来場された方には、実際にお使いいただき、快適性や使い勝手の良さなどを体感することにより、リピーターになっていただき、複合施設のメリットが口コミで広がっていくことを期待しております。
そのためには、開設時の早い段階から、施設のPRに努め、たくさんの方々に開設時のイベントにおいでいただくことが必要です。そして、すべての方々に快適な空間と時間を提供することで、愛着をもって集まっていただける賑わいの拠点としていきます。また、様々な地域課題の解決の拠点となるためには、開設後も施設内はもとより、地域の方々との連携・協働を大切に、日々実践を積み重ね、地域力の向上につなげてまいります。
● 【3】新小岩・奥戸地域の街づくりについて
次に、新小岩・奥戸地域の街づくりについて質問いたします。
はじめに、さる7月にJR東日本がその建設工事着手を公表した新小岩駅南口駅ビルについてお尋ねします。
区は、この駅ビルの整備に併せ、最上階の6階に行政サービス施設を整備し、夜間や休日に開庁する利便性の高い区民事務所と、さまざまな用途に利用できる多目的ひろばを設けるとしています。
また、この新小岩地域には多くの外国人区民が住んでおり、今後も著しい増加が見込まれることから、生活に関する情報や多言語による各種情報の提供を積極的に行うことが大切です。
さらに、いざ災害発生という時には、公共交通機関利用客らの帰宅困難者の発生なども十分考えられることから、その際の役割や機能分担などについても、あらかじめ検討しておく必要があると考えます。
《質問1》新小岩駅南口駅ビルについて
ア、行政施設の開館時間の弾力化と施設への効果的なアクセスの確保を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《地域振興部長答弁》
駅ビルの6階フロアの開館時間は、区民事務所に合わせて一律にするのではなく、それぞれのサービスや活動が弾力的に展開できるようにしてまいります。
駅の周辺から駅ビルの入口までの案内表示は、現場で確認しながら分かりやすく設置してまいります。いっぽう、ビル内部やビルの外壁への表示については、設置者であるJR東日本と調整してまいります。
また、駅ビルへの来所方法については、来所なさる方にご不便がないよう、自転車や自動車の駐車場の確保について、JR東日本と協議してまいります。さらに、区としましても、自転車の駐輪台数の確保に向け、関係所管の連携により、様々な方策を検討してまいります。
イ、多文化共生と地域活動に関するコーナーはどのように展開されるお考えでしょうか。そして、このコーナーの充実及び普及・啓発を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
事業展開につきましては、行政サービスをはじめとする各種案内チラシや刊行物を言語ごとにラックに配置するほか、日本や外国の文化を知るための資料、やさしい日本語や日本語学習のテキストを備えます。地域の方々からご要望が多いごみ出しルール等の生活に密着した展示もしてまいります。区民事務所に配置される通訳スタッフが各種手続きの案内や区内の生活に慣れていただくための生活ガイドを行う一方、専門的な相談については、本庁の外国人生活相談や担当部署につなげます。地域活動に関する支援として、例えば盆踊りや防災訓練などのイベントを行う際、「外国人の方にも呼び掛けたい」と地域の方々がご相談に見えたときに、チラシやポスターの翻訳を支援します。外国人を含め新たに転入された方々に、地域への関心を深めてもらうため、自治町会などの活動を展示したり、動画で紹介したり、絵画や写真など地域の方々の発表の場となる展示ギャラリーを設けたりします。このコーナーを含む多目的ひろばでは、地域団体等が主催する日本文化や伝統芸能など様々なイベントで、外国人と日本人の交流のきっかけになることも期待され、このようにしてコーナーの充実を図ってまいります。
普及・啓発について、外国人の方に対しては、転入の手続きを待つ間に、このコーナーをご案内するほか、やさしい日本語と多言語で作成したチラシやポスターを近隣の公共施設に配布・掲示します。また、ボランティアによる日本語教室や日本語学校にも配布・掲示を依頼し、さらに、自治町会のご協力により、町会掲示板に掲示していただくなど、様々な機会を捉えて、日本人も含めて広く地域の方々に知っていただくよう努めてまいります。
そして、たくさんの方々にコーナーをご利用いただくことにより、外国人にとっても日本人にとっても住みよい、多文化共生のまちづくりを進めてまいります。
ウ、災害時の帰宅困難者の受け入れなど、一時的な避難所としての役割の充実を図るべきと思いますがいかがでしょうか。
《危機管理・防災担当部長答弁》
駅ビルの区施設につきましては、災害や事故等における帰宅困難者の一時滞在施設としての役割に加え、水害時における緊急避難施設として、近隣住民の安全確保に寄与できるよう、現在JR東日本と具体的な協定締結に向けた協議を鋭意進めております。
また、避難・滞在された方々へ対応するため、6階フロアには防災倉庫を設置するとともに、水、食料、毛布、簡易トイレ、蓄電池などの防災備蓄品や、マスク、消毒液等の感染予防用品を配備するなど、災害時における防災機能の充実を図ってまいります。
続いて、保育園と共に改築される二上小学校の改築についてお尋ねいたします。
二上小学校の改築事業の検討にあたり、区は、改築懇談会を立ち上げ、広く意見・要望等を出していただくといったワークショップ形式でその運営を進めて来られました。
しかし、隣接する二上保育園は民営化されることとなり、保育園、職員寮について以前から二上小学校との合築とすることによって効果的な活用をするよう求められていたこととの整合性が心配されています。
さらに、改築事業を進めるにあたっては、子ども達がより良い環境で教育を受けられるよう、地域との連携・調整に重点を置き、幅広く意見を取りまとめ、事業に反映させていくべきと思います。
《質問2》二上小学校の改築について
ア、改築の基本構想・基本計画(案)の策定にあたっては、これまでに学校関係者など地域の意見をどのように聞き取り、取りまとめてこられたのでしょうか。
《施設部長答弁》
施設整備の基本方針や校舎の配置計画、工事順序などを明示した改築基本構想・基本計画(案)の策定にあたっては、学校関係者や通学区域の自治町会の代表などで構成する二上小学校改築懇談会を立ち上げて、意見交換や検討を重ねてまいりました。
検討にあたっては、教育環境の向上や避難所機能など、重要なテーマごとに一人一人が課題や意見を書き込み、それを分類整理し、まとめていくワークショップ方式も採用し、合意を得ながら全体像を取りまとめております。
イ、二上小学校改築懇談会の中で出されたご意見などは、どのように基本構想に反映させてこられたのでしょうか。
《施設部長答弁》
教育環境の向上については、グループ学習や全体での発表・討論など、様々な学習に対応できるように、普通教室を63uから74uに拡大するほか、学習センターとしての学校図書館を多目的室と隣接させることで、自学自習がしやすい環境の充実を図ります。
防災機能の拡充については、エレベーターや誰でもトイレの複数設置など学校施設のバリアフリー化を図るとともに、水害時にも避難所機能を維持できるように、体育館を2階に配置することや非常用発電機の設置などを計画しております。
学童保育クラブについては、学校外5カ所の学童保育クラブに91名の児童が入会しており、そのうち41名は、平和橋通りを横断して通っている状況もあるため、新校舎に新たに学童保育クラブを設置します。
その他の地域の意見や要望についても、可能な限り、改築基本構想・基本計画(案)に反映させてまいりました。
ウ、二上小学校の改築については、隣接する二上保育園との一体的な整備が注目されますが、一体的整備とすることの必要性や特に配慮すべき点などをどのようにお考えになっているのでしょうか。
《施設部長答弁》
二上小学校に隣接する二上保育園は、築45年を経ており、公立保育園の中でもコンクリート圧縮強度の数値が低く、施設の劣化が進んでおります。また、現在は空室となっている旧職員寮が保育園建物の上層にあり、単独で解体することもできない状況です。さらに、施設更新をするとしても、前面の道路が狭く、工事車両等の出入りが困難なため、このたびの小学校の改築を契機に、敷地が隣接している保育所の施設更新も同時にすることといたしました。
また、可能な限り工事期間中の教育環境や保育環境を良好に確保するため、及び工期や経費の縮減を図るため、仮設校舎や仮設園舎を利用することなく、既存の校舎や体育館、園舎に居ながらの工事が可能となるように小学校と保育所とを敷地南側に一体的に整備することとしております。
今後、一体的な整備を進めるにあたっては、防犯対策とともに、児童と園児が錯綜しない動線に配慮する一方で、交流の機会を確保するなど、学校や保育所関係者などの意見を聞きながら、合築の効果がさらに図れるような整備を進めてまいりたいと考えております。
エ、改築事業を進めるにあたっては、地域との連携・調整や、要望への対応をきめ細やかに行っていくべきと思いますがいかがでしょうか。
《施設部長答弁》
二上小学校の改築事業は、本年度から改築基本構想・計画を踏まえた基本設計を進めていく予定です。基本設計を進めるにあたっては、これまでの進め方と同様に懇談会において、可能な限り、ワークショップの意見交換手法を取り入れる予定です。また、地元への情報発信も適宜しっかりと行っていきながら、地域との連携や要望への対応をきめ細やかに行っていきたいと考えております。
現在、コロナ禍により、懇談会が計画どおりに開催出来ていない状況で、進行が遅れ気味ではありますが、保護者説明会をはじめとした情報提供や意見集約の場は、今後、インターネット動画の配信やホームページ、メールなどITを活用したオンラインでの実施を進め、多様な方策で拡充させてまいります。引き続き、学校関係者や地域の期待に応えられる学校改築事業をしっかりと進めてまいります。
さて、新小岩駅の南側地域には、改築した小松中学校の他、小松保育園、南集い交流館、小松南小学校、旧松南小学校があり、今後の街づくりの中で、区としての公共施設の整備方針に則り、このエリア全体の長期的展望を持って整備していく必要があると考えています。
そうした中、駅ビルの開業に伴う新小岩区民サービスコーナーの機能について、駅ビルに移すもの残すものを整理・検討することで、使い勝手の良くない2階ロビーの改良なども可能になってくると思います。
また、8月10日に新小岩駅南口地区市街地再開発事業都市計画決定の告示がされたほか、東南地域には270戸の分譲マンション、100戸の賃貸マンションが建ち並び、その2階・3階には保育園が来年開園する予定となっています。
さらに、中町の都営住宅跡地の利活用については、地域まちづくり協議会、自治町会からも要望書が出ており、期待とともに関心が高まっています。
さらにさらに、新小岩公園へと繋がる生活道路も江戸川区と繋がっており、水路跡の活用と併せて整備を進めていくべきと考えます。
《質問3》新小岩南地域の街づくりについて
ア、新小岩区民サービスコーナー移転後の活用をどのようにお考えになっているのでしょうか。
《地域振興部長答弁》
新小岩地域に整備または改修される4つの公共施設を、地域の課題解決のために有効に活用していこうということで、現在、地域団体の方々と区とで活発に協議をしております。その4つの施設とは、JR東日本が建設する駅ビル6階の多目的ひろば、区民事務所と区民サービスコーナーが駅ビルに移転した後の、新小岩北地区センターと新小岩地区センター、そして(仮称)葛飾区新小岩地域活動センターで、これらの施設の特性を生かしながら、複数の地域団体が主体になって、地域活動の新たな担い手を創出し、育成された人材とともに公益的な活動を展開していこうというものです。
新小岩区民サービスコーナー移転後のスペースは、こうした考え方の下、地域活動の新たな拠点とするため、地域の方々と検討を進めているところでございます。
イ、これからの新小岩南地域を包括した公共施設のあり方と整備方針の策定を進めるべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
現在、新小岩南地域は、南北自由通路の整備をはじめ、(仮称)新小岩駅南口駅ビルの建設や南口駅前広場の拡張再整備、46、48番街区の再開発など、大きく様変わりしようとしています。また、新小岩駅東南地区では、高層マンションの建設に伴い、近い将来、子どもも含め人口構造が変化する見込みとなっています。
これらの背景を踏まえ、新小岩南地域全体の未来の姿を見定めた上で、行政需要に応えることのできる公共施設のあり方を検討していくことが必要であると考えています。
公共施設は、行政手続き、地域活動、教育など、他分野にわたる区民サービスを担っておりますので、全庁的に情報共有、連携を図り、葛飾区公共施設等経営基本方針に基づき、公共施設の集約、再編を進めながら、新小岩のまちに必要な公共施設を整備できるよう、検討を進めてまいります。
ウ、都営住宅跡地の整備にあたっては地域の声を踏まえた検討を行うべきと思いますがいかがでしょうか。
《政策経営部長答弁》
当該敷地が位置する総武線の南西側地域は、老朽木造住宅が建ち並び、幅員の狭い道路が多いこと、オープンスペースが不足していることなどから、地域からも公園整備などのご要望をいただいているところです。こうした状況を踏まえ、区としては東京都に対し、平井仲町アパートの解体後の跡地を取得したい意向を伝えておりますが、建物解体後に東京都内部において跡地利用の確認などが行われる予定であり、区に対して跡地取得等の意向確認はこれまでのところ行われておりません。
今後、東京都との協議を進め、区として取得できることになった際には、地域の皆さまのご意向をきちんとお聞きしながら、連携協働してより良い活用方法を検討してまいります。
エ、新小岩一丁目から新小岩公園中町ゲートへ向かう街路整備にあたっては地域住民の安全・安心を第一に積極的に推進するべきと思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
お話の新小岩一丁目の道路の整備につきましては、区としましても地域の防災性向上を図るために、緊急車両が通行可能な安全・安心な道路形態に整備する必要があると認識しております。
これまで、道路の検討を行う中で、道路に隣接する鉄道関連の構造物が支障となることから、JR東日本との協議を行ってまいりました。しかしながら、課題の解決には時間を要することが見込まれており、また、江戸川区につながる道路であることから、江戸川区との詳細な協議も必要となります。
今後も、こうした関係機関との協議を進めるなど、課題解決に向けた取り組みを行ってまいります。
オ、8月10日に都市計画決定の告示がされた新小岩駅南口地区市街地再開発事業の今後のスケジュールや、周辺も含めた南口地区全体の今後の街づくりについて、どのように進めていくお考えなのでしょうか。
《区長答弁》
新小岩駅南口地区市街地再開発事業については、8月10日の都市計画決定を受けて、今後、準備組合が建物調査や施設建築物の基本設計を進め、令和4年度の本組合設立に向けて地権者の合意形成を進めていく予定と聞いております。その後の想定スケジュールとしては、令和5年度に建設工事着工、令和10年度に建設工事竣工の予定と聞いております。
区では、この再開発区域を含めた南口地区全体の街づくりイメージ(素案)を昨年度に作成しており、今後は、当該地区の地権者に、賑わいや防災などの街づくりの課題、建物更新への意向や街づくりについてのご意見をお聞きし、南口地区全体で目指すべき将来像を地域の皆さまと共有しながら、街づくりを進めてまいります。
カ、再開発に合わせた南口駅前広場の拡張再整備について、本年3月に議会報告された再整備案では駅前広場のバス交通などの混乱が解決されないと思われますが、あらためて地域住民との協議の中で再検討していくべきと思いますがいかがでしょうか。
《街づくり担当部長答弁》
新小岩駅南口駅前広場拡張再整備の検討については、昨年度に警視庁や交通事業者と協議した結果、歩行者のさらなる安全性向上を図るため、現状の2カ所ある横断歩道を1カ所にする案で、本年3月に議会報告させていただきました。
しかしながら、その後、将来的に大型のバリアフリー対応バスの運行が標準化するという意見もいただき、横断歩道1カ所の検討案ではバス交通の処理が困難となったことから、現状の2カ所の横断歩道は残しながら交通改善を図る方向で、現在、関係機関協議を進めております。
今後、地域の皆さまや関係者の意見もお聞きしながら、安全で円滑な交通処理を実現する拡張再整備案を取りまとめてまいります。
新小岩公園の再整備にあたっての基本構想が昨年策定され、河川整備と一体となった高台ゾーンの整備など防災機能の強化を重視するという考え方が示されました。
平成30年には、公園西側のいわゆるスーパー堤防事業に合わせて、現状立体交差している蔵前橋通りと堤防道路を平面交差させる案が示されたものの、具体的な事業スケジュールや堤防道路の迂回ルートの調整などといった具体的な手法については、今もまだ示されておりません。
また、葛飾あらかわ水辺公園の改修の取組みも始まっていますが、新小岩公園再整備事業との連携ということから、改修工事の完成までにはかなりな時間を要することが考えられます。
また、新小岩駅周辺の自転車駐車場整備のあり方について、地域の全体像を洗い出しながら抜本的な見直しに着手する時期に来ていると思います。
さらに、自転車駐車場に関連して、区民の自転車損害賠償保険などについても、各種民間による損害賠償保険への加入促進に加え、区として新たに導入すべき施策の洗い出しや事業化に向けた積極的な検討も求められていると思います。
《質問4》新小岩公園及びその周辺地域の一体的な整備について
ア、新小岩公園再整備基本計画の検討状況と今後のスケジュールは、どのようになっているのでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
新小岩公園再整備基本計画については、令和2年10月に新小岩公園再整備基本構想の策定に引き続いて、新小岩地域の皆さまと意見交換をさせていただき、検討を重ね、計画を取りまとめてまいりました。今年度に入り、取りまとめた計画案について説明会などを行い、令和3年7月、基本計画の策定に至ったところであります。
今後の具体的な取り組みとしては、今年度、基本設計の前段として、基礎調査及び概略設計を行います。令和4年度には、公園全体の基本設計を行い、令和5年度以降、実施設計、整備工事と進めていく予定です。
イ、中川緩傾斜型堤防事業の進捗状況や今後のスケジュールはいかがでしょうか。
《都市整備部長答弁》
新小岩公園における水害時の防災拠点機能の確保に向けた再整備には、公園西側の東京都の中川緩傾斜型堤防事業と連携した一体的な高台ゾーンを整備していくことが必要でございます。この緩傾斜型堤防事業につきましては、東京都において、立体交差している蔵前橋通りと堤防道路が平面交差する案について警察との協議が進められ、平成30年度に地域への説明を経て、道路線形の協議が完了しているところでございます。
また、東京都では、現在、工事期間中の道路の切り回し等の施工計画を検討し、警察等の関係機関との協議を実施している状況であり、現時点では、具体的なスケジュールや施工手順を示す段階にないと聞いております。
区といたしましては、引き続き東京都と連携を図っていくとともに、新小岩公園再整備の検討の進捗状況と併せて、適宜、地域への情報発信を進めてまいります。
ウ、葛飾あらかわ水辺公園整備方針に基づき、早期の整備に着手すべきと思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
先般、葛飾あらかわ水辺公園の整備方針を取りまとめましたが、そこでは、水辺の活用とともに、レクリエーションの場としての活用、自然環境の確保を図ることなどが示されています。お話のように、6.5haを超える広大な公園ですので、整備にあたってもエリアを分けて整備することになるものと考えております。
これまでの取り組みの中では、レクリエーションの場としての要望が高いと感じており、平井大橋付近のエリアにおいて、賑わいを高める施設の整備が求められているのではないかと考えておりますが、具体的な施設の内容などを含めて、今後も地域の皆さまのご意見を伺いながら進めてまいります。
エ、新小岩駅周辺の自転車駐車場整備のあり方については、新小岩駅北口から蔵前橋通りに接続する新規区画道路の検討状況も見据え、今一度、街づくりの観点に立って検討すべきと思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
蔵前橋通りに接続する新規区画道路の検討については、区画道路整備の必要性や計画条件の整理等を進めており、今年度中には区画道路の実現性について判断したいと考えております。この新規区画道路を実現する場合、新小岩駅北口自転車駐車場の建て替えが必要となり、駅周辺の自転車駐車場の整備に大きく影響するものと認識しております。
このことから、区といたしましても、新小岩駅周辺の自転車駐車場整備のあり方については、今後の基盤整備や街づくりとの連携を図りながら、段階的に各方面の駐輪需要に応じた自転車駐車場の適正配置に努めてまいります。
オ、自転車保険の導入について、区民への周知・啓発の手法を検討するべきと思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
令和2年4月1日から東京都の条例が改正され、自転車利用者に対して、自転車損害賠償保険等への加入が義務付けられました。
現在、区では、自転車利用者が定期的に自転車の点検整備を受け、自転車の安全な利用を心掛ける機運を醸成するため、区民に対し、指定自転車店での点検整備を条件に、自転車損害賠償保険を付帯した「TSマーク」の所得費用について助成を行っています。
今後は、さらなる自転車の賠償責任に関する各種保険制度の普及啓発、加入促進を図るため、少額の保険料で加入できる区民向け時短者損害賠償保険の導入について検討しています。
導入の際には、チラシやポスター、ホームページ等の広報媒体の活用や交通安全教室等の機会を捉え、自転車損害賠償保険等の必要性と加入方法を周知するため、広報の充実に努めてまいります。
さて、奥戸一丁目で6ヘクタールを超える面積を持つ森永乳業東京工場が生産を停止してから半年ほどが経過しました。
この工場の敷地の利活用については、地域の活性化に資するものや、中川に面していて土地が低いという地域特性への対応、公園や空間の創出など、区として必要と考えることをしっかりと森永に伝え、区にとっても、地域にとっても、森永にとっても価値の高い開発を行っていく必要があると思います。
また、この森永乳業東京工場敷地裏手では、堤防強化とともにテラスも設置されましたが、都市計画道路補助第284号線の工事も着々と進む中、立石地区の街づくりの進展も踏まえ、さらなる延伸や中川への架橋も見据えた街づくりの検討を急ぐべきと思っています。
《質問5》奥戸地域の街づくりについて
ア、森永乳業株式会社との協議状況については、時期をとらえて議会や地元にも情報提供していくべきと思いますがいかがでしょうか。
イ、都市計画道路補助第284号線の工事も着々と進む中、立石の街づくりの進展も踏まえ、さらなる延伸や中川への架橋も見据えた街づくりの検討に入るべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
森永乳業が2018年2月に東京工場の生産停止を発表して以来、区は森永乳業と、生産停止後の東京工場の敷地の扱いについて、協議を重ねてきております。工場建物については取り壊す予定で解体に向けて準備を進めている状況にあり、土地の扱いについては社内での方針は依然未定であると聞いているところです。そのため、現時点で、議会や地域の皆さまに情報提供できる状況ではございませんが、今後、森永乳業の検討が具体化していく中で、時期をとらえ、しっかり情報提供してまいります。
また、都市計画道路補助第284号線の中川対岸への延伸や架橋については、本区のまちづくりの将来像を展望した葛飾区都市計画マスタープランにおいて、面的なまちづくりなどの機会を捉えて、既存の都市計画道路以外に提案する道路、構想路線に位置付けております。
このことから、今後、東京工場の跡地活用の検討が進められる中で、立石の街づくりの進展も踏まえ、奥戸地域の発展に向け、こうした構想路線を含めた基盤整備についても検討を進めてまいります。
● 【4】人にやさしい街づくりについて
さて、「第16回パラリンピック競技大会」が、5日・日曜日に閉幕いたしました。困難があっても諦めず、限界を突破しようとするパラアスリートたちの力強い姿に、大きな感動を受けた方も少なくないと思います。
さまざまな障がいのあるアスリートたちが創意工夫を凝らして限界に挑むパラリンピックは、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し活躍できる公正な機会が与えられている場です。
それは、共生社会を実現するための重要なヒントが詰まっている大会であり、社会の中にあるバリアを減らしていくことの必要性や、発想の転換が必要であることにも気づかせてくれる。そうした点も、パラリンピックの持つ大きな意義の一つだと私は思っています。
そういった思いも込めまして、次に、人にやさしい街づくりについて何点か質問したいと思います。
はじめに、視覚に障害をお持ちの方々の外出支援についてです。
国土交通省によりますと、1日あたりの利用者が3千人以上の鉄道駅やバスターミナルでは、段差の解消が91.9%、点字ブロックの設置が95.1%に達しました。
しかし、街の歩道などへの点字ブロックの設置は、現状では交差点などのピンポイントにとどまっていることから、広く歩道幅の取れるような場所への連続設置や、歩道の段差解消工事につきましても、すべての人にやさしい街づくりとして力を注いでいく必要があると思います。
《質問1》視覚障がい者の外出支援について
ア、視覚障がい者の移動の安全を確保するためには、連続した誘導用ブロック設置をすべきと思いますがいかがでしょうか。
イ、計画的に設置するためには一定のルールなどを定めるべきと思いますがいかがでしょうか。
ウ、ルールに基づき区内で積極的に設置を推進する必要があると思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
区では、視覚に障害のある方の移動の安全を確保し、一人でも安心して道路を通行できる環境を面的かつ計画的に整えていくため、視覚障害者誘導用ブロックの連続的な設置について区道における統一的なルールを定め、昨年度、運用を開始したところでございます。このルールでは、連続的な設置を行う経路として、駅出入口と公共交通機関の乗降場所を結ぶ経路や、葛飾区バリアフリー基本構想で生活関連経路等に位置付けられた経路、歩行者の日常的な移動においても中心的な役割を担う都市計画道路などを対象としており、道路の新設や改修にあわせて設置することとしております。
今後とも、異動の安全を確保し、視覚障害者の外出支援に繋がるよう、利用状況などを踏まえつつ、駅周辺や都市計画道路等において視覚障害者誘導用ブロックの連続的な設置を積極的に進めてまいります。
エ、視覚障がい者に限らずすべての人にやさしい街づくりとして歩道段差の解消工事を積極的に進めるべきと思いますがいかがでしょうか。
《交通・都市施設担当部長答弁》
以前本区では、歩道設置をする際には、歩行者の安全性を第一に考え、歩道を車道から一段高くしたマウントアップ形式での整備を行ってまいりました。しかしながら、区道では歩道幅が狭いところが多く、交差点や乗り入れ付近で歩道の勾配がきつくなり、通行しづらいなどの課題がございました。
そのため、道路を改修する際には、安全性を保ちながら車いすなど誰もが快適に歩行空間を利用できる形状を考え、できる限り歩道と車道の高さを合わせることで、交差点付近の段差を小さくし、乗り入れ前後でも歩道の傾きが緩やかになるセミフラット形式を取り入れた歩道勾配改善事業を計画的に進めております。
今後も、高齢の方、車いすやベビーカーを利用する方など、誰もが安全で快適に利用できる道路環境を積極的に整備し、人にやさしい街づくりのより一層の推進に努めてまいります。
次に、聴覚に障害をお持ちの方々の情報伝達の支援についてお尋ねいたします。
耳の不自由な人が電話を利用しやすくなる「電話リレーサービス」が、いよいよ7月からスタートし、関係者や利用者などから多くの喜びの声が寄せられています。
電話リレーサービスとは、パソコンやスマートフォンなどのビデオ通話機能を通じ、手話通訳者などの通訳オペレーターが、聴覚障がい者と健聴者の間に入ってオンライン上で通話をサポートする仕組みで、従前のファクスや電子メールに比べても「即時性」「双方向性」といったメリットが期待されることから、区としても、その利用の促進を図っていくとともに、聴覚障がい者に限らず健聴者に対しても積極的に情報発信し、普及啓発を図っていく必要があります。
さらに、タブレット端末から手話通訳オペレーターにテレビ電話で繋ぐ遠隔手話サービスも、聴覚障がい者の利便性の向上に繋がるものとして大いに期待されています。
《質問2》聴覚障がい者の情報伝達の支援について
ア、区として電話リレーサービスの利用促進に取り組んでいくべきと思いますがいかがでしょうか。
《福祉部長答弁》
この制度は、開始間もないサービスであり、一般には知られていないことから、広報かつしかや区ホームページを通して聴覚障害のある方、健聴者双方に電話リレーサービスの仕組みや利点、具体的利用方法について広く周知してまいります。
また、聴覚障害がある方がこのサービスを利用するためには、国の委託を受けた日本財団のホームページから事前登録をすることが必要で、特に高齢の聴覚障害者にとっては手続きが難しいといった課題があります。そのため、聴覚障害のある方を対象に、利用登録の方法や具体的な使用方法に関する研修会等を開催することを今後検討していきます。
これらの取り組みを通して、電話リレーサービスの利用促進を図ってまいります。
イ、聴覚障がい者だけでなく、区職員や健聴者の方々へも広く電話リレーサービスの普及啓発を図っていくべきと思いますがいかがでしょうか。
《福祉部長答弁》
電話リレーサービスの普及に向けては、電話を受ける健聴者がこうしたサービスのあることをしっかりと理解しておくことが大切です。そのため、区民や事業者に対し、広報かつしかや区ホームページによりお知らせするとともに、区が開催する区民向け講座に電話リレーサービスの利用に関する内容を盛り込むことや、障害の普及啓発パンフレットに制度の紹介を記載することで、広く普及啓発を図ってまいります。
また、区民からの相談や問い合わせにスムーズに対応するためには、区の職員がこのサービスの内容を理解しておかなければなりません。そこで、障害者差別解消法研修や情報のユニバーサルサービス研修といった障害に関連した職員研修に盛り込むことなどにより、電話リレーサービスを理解し、区民からの相談等にしっかりと対応できるようにしてまいります。
ウ、電話リレーサービスの普及に合わせ、遠隔手話通訳サービスの活用も図っていくべきと思いますがいかがでしょうか。
《福祉部長答弁》
遠隔手話サービスとは、手話通訳者が同行するのではなく、スマートフォンやタブレット端末を利用して遠隔で手話通訳するものです。手話通訳者が医療機関の窓口等に出向かずに通訳できるため、区では感染症の拡大防止の一環として令和2年10月から事業を開始しております。いっぽう令和2年度の利用件数は4件であり、現状では十分に活用されていない状況となっております。これは、遠隔手話サービスが聴覚に障害のある方に十分に知られていないことやスマートフォンの操作や設定をする必要があるため利用を躊躇してしまうことなどが要因と考えております。
そこで、聴覚障害のある方が遠隔手話通訳サービスを体験する機会を設けるとともに、医療機関の窓口等への周知等を行い、遠隔手話通訳サービスの利用が広がっていくように取り組んでまいります。
さて、平成14年6月の区議会第2回定例会の本会議におきまして、私は議員として初めて一般質問に立ち、堀切三丁目の「ウェルピアかつしか」の建設計画について、「緊急事態の発生を聴覚障がい者にも直ちに知らせることができるように、回転灯の設置が不可欠である」と提言したことに対し、区は直ちに設計の手直しをして回転灯、いわゆるパトライトを設置してくださいました。
音以外の報知による火災警報としての「光警報装置」については、平成28年に消防庁が「光警報装置の設置に係るガイドライン」を策定していますが、このガイドラインは、あくまで光警報装置を設置する際の『指標』という位置付けでしかありません。
区としては、こうした大規模な施設や聴覚障がい者が利用する施設に限らず、すべての公共施設に光警報装置、いわゆるフラッシュライトを設置していく必要があり、そのための本区独自の設置基準を策定していく必要があるのではないでしょうか。
《質問3》聴覚障がい者のためのフラッシュライトの活用について
ア、区有施設での設置状況と今後の方針はどのようになっているのでしょうか。
イ、特に福祉関連施設などには設置を推進していくべきと思いますがいかがでしょうか。
ウ、消防庁のガイドラインに基づいた本区の設置基準を策定し推進していくべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
現在、区有施設では、ウェルピアかつしか、奥戸総合スポーツセンター、日光林間学園に設置している状況でございます。また、現在建設中の(仮称)葛飾区新小岩地域活動センターにも設置を予定しております。
フラッシュライトなどの光警報装置については、消防庁が策定する設置に係るガイドラインにより、大規模施設や聴覚に障害のある方が主に利用する福祉関連施設などには、努力義務として自動火災報知設備に光警報装置を付加することが望ましいとされております。
本区におきましても、聴覚に障害のある方の利用が想定される施設の新設や改修を行う際には、消防署とも連携しながら、このガイドラインに沿った設置を進め、聴覚障害者をはじめ、多くの区民の方にも、安心・快適にご利用いただける施設の整備に努めてまいります。
最後に、街の課題について、ICTを使って区役所の所管課と課題を共有し、迅速、効果的に解決していく仕組み「マイシティレポート」についてお尋ねいたします。
このマイシティレポート、MCRは、道路に不具合を発見した区民の方々が、スマートフォン等によってその場所を撮影し、画像と位置情報を合わせて区に情報提供するというもので、区としても道路の不具合をより正確に把握でき、双方向で情報が共有される画期的なシステムです。さらに、道路だけでなく、公園などの区有施設についてもその拡充が期待されています。
《質問4》マイシティレポート(MCR)の普及啓発について
ア、MCR活用の経緯と運用状況はどのようになっているのでしょうか。
《区長答弁》
東京都では、大学研究者による事業提案制度を実施しており、平成30年度に東京大学が提案したインフラ運営の透明化に向けたICT、AIを活用した市民協働システムであるマイシティレポートが採択されました。区では、東京都からシステムの要攻勢を検証するための協力依頼を受け、令和2年2月から試行運用を開始し、区、東京都、東京大学の協働により、令和3年度までの3カ年の試行期間において、システムの利便性を高めるための定期的な見直しや改良の検討が進められております。また、都では試行対象エリアを順次拡大させ、令和3年8月末現在、島しょ部を除く都道全域と、区市道については、本区をはじめとした3区と7市が対象となっており、本区に寄せられた通報は累計で361件となっております。
イ、本格導入を図り、道路だけでなく公園・児童遊園など幅広い施設を対象に拡充していくべきと思いますがいかがでしょうか。
ウ、活用促進のためさらなる普及啓発を推進していくべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
区内で起きる施設の不具合につきましては、道路だけでなく公園、児童遊園など様々な場所で発生します。そのため、マイシティレポートをこうした施設に幅広く利用することで、区民サービスのさらなる向上が期待できると考えております。
そこで、試行運用期間が終わる令和4年3月末以降の本格導入に向け、公園、児童遊園への対象拡大を視野に入れた上での検討を進めてまいります。
また、活用促進のためのさらなる普及啓発の推進につきましては、これまでも広報かつしかや区ホームページへの掲載、チラシの配布により区民の皆様に周知してまいりましたが、電話などでいただく区民要望への対応時や工事説明などの機会を捉え、積極的にマイシティレポートの認知度を高め、利用者の拡大に努めてまいります。
● 【5】ユニバーサル社会の実現について
最後に、ユニバーサル社会の実現について質問いたします。
平成16年2月、私は区議会第1回定例会の本会議で一般質問に立ち、ユニバーサルデザインとは、最初から「バリア」を作らないように、より多くの人に使いやすいものにしようという考え方であり、そこには、文化・言語・国籍や年齢・性別・能力などの違いにかかわらず、出来るだけ多くの人が利用できることを目指すという発想が込められてことを訴えました。
以来17年、私は、一般質問だけでなく機会あるごとに「ユニバーサル社会の実現」を訴えてまいりました。
にもかかわらず、区の資料の中でも「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」を混同しているケースもあり、まだまだ道半ばといった感が否めないのが実情です。
いっぽうで、区長の定例記者会見の様子が手話通訳入りで動画配信されるようになるなど、ユニバーサル社会を実現していこうという方向に区の施策が流れ始めたことは大変評価しております。
そうした中で、「ユニバーサルデザインによるまちづくり」の分野でも、東京オリンピックの開会式で全世界の人々の注目を集めたピクトグラムなど、新たな発想から生み出されたさまざまなユニバーサルデザインの活用が、今まさに求められているのではないでしょうか。
《質問1》ユニバーサルデザインによるまちづくりについて
ア、基本計画の「理念」に掲げられたUD(ユニバーサルデザイン)もその進捗度を測る項目は再考するべきと思いますがいかがでしょうか。
《政策経営部長答弁》
本年7月に策定した基本計画では、基本方針の一つに「夢と誇りあるふるさと葛飾の実現」を掲げ、その取り組みの一つとして「ユニバーサルデザインに貫かれた地域社会の実現を目指す」こととしております。また、これを受けて、政策の「理念」の分野では、施策の一つとして「ユニバーサルデザインの考え方に基づいたまちをつくります」を掲げております。その施策の下に計画事業として「バリアフリー事業」「歩道勾配改善事業」「公共サインの充実」の3つを掲げ、その進捗度を測るための評価指標としては「年齢・性別等にかかわらず、全ての人に配慮した公共施設や生活環境の整備が進んでいると思う区民の割合」としております。
区の取り組みとしては、現在は公共施設等の段差解消、エレベーターの設置など多くのバリアフリー事業にも取り組んでいることから、バリアフリー事業とユニバーサルデザインの推進を合わせて計測する評価指標としておりますが、今後、それぞれの進捗度を把握できるより良い指標について検討してまいります。
イ、カラーUDのガイドラインは全庁的に十分な認識が得られているとは言えず戦略的にブラッシュアップを図る必要があると思いますがいかがでしょうか。
《政策経営部長答弁》
葛飾区カラーUDガイドラインは、平成27年3月に策定いたしました。男性の20人に一人、女性の500人に一人が色弱と言われており、色の見え方も様々であることから、印刷物の作成などにおいて、誰にでもわかりやすく伝わりやすい色使いなどについての指針として活用しております。現在も職員向け研修である「情報のユニバーサルデザイン研修」などを通じて、職員への周知を図っているところです。しかしながら、カラーUDを考慮したデザインとなっていない印刷物も若干見受けられることから、さらなる職員周知を図るとともに、より分かりやすく取り組みやすいガイドラインへと見直していくことも必要と管が手おります。民間でも取り組みも含め、様々なガイドライン等が出されておりますので、良いところを取り入れながら見直してまいります。
ウ、UDの手法によるまちづくりについてあらためて効果的な活用方法を再構築する時期に来ていると思いますがいかがでしょうか。
《政策経営部長答弁》
葛飾区ユニバーサルデザイン推進指針は、区としての考え方を示したものであり、具体的な検討手順や項目は示していないことから、案件によって検討の度合いや取組内容に差が生じてしまうなどの課題を認識しているところです。こうした状況を改善するため、施設整備に関するユニバーサルデザインの導入マニュアルなどを定めている先進自治体の事例なども参考に、ユニバーサルデザインによるまちづくりを推進できるよう、具体的な方策を検討してまいります。
さて、江東区では平成13年度から、住民参加によるワークショップを基本とした「江東区UDまちづくり」に取り組んでいます。この事業は、実際の整備やハンドブックを作成したり、「江東区オリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画」の策定に向けてのアイデアを提案するもので、積極的な活動が繰り広げられているものです。
こうした江東区の事例に限らず、UDの理念を広く区政全体に展開していくためには、まずは区役所内部で全庁横断的な体制で、心のUDの理解などから取り組みを進めていく必要があると思います。
《質問2》心のユニバーサルデザインについて
ア、心のUDを推進するため全庁横断的な体制による取り組みが求められていると思いますがいかがでしょうか。
イ、基本計画に掲げた「共生社会の実現」を推進するためにも、心のUDを積極的に推進していく必要があると思いますがいかがでしょうか。
《政策経営部長答弁》
心のUDの推進は、ユニバーサルデザインによるまちづくりの基本となるもので、葛飾区ユニバーサルデザイン推進指針でも、「心やさしい人づくり」を施策の一つとして掲げております。これまでも普及啓発に努めてまいりましたが、さらに今般策定した基本計画では、目標の一つに「共生社会の実現」を掲げ、ソフト、ハード両面からユニバーサルデザインによるまちづくりを進めることとしております。共生社会実現のためには、全庁を挙げて横断的な取り組みを進めていくことも必要と認識しております。
昨年度は、政策経営部、総務部、施設部、地域振興部、福祉部の関係課により会議体を設置して、庁内におけるユニバーサルデザインの改善点などの検討を行い、庁舎床面への案内表示、各課が行っている窓口サービスの共有などを行いました。
今後はこうした取り組みを一層推進し、各部が実施するすべての事業においてユニバーサルデザインの視点でも内容を確認するとともに、推進組織を設置して各部の取り組み状況を共有しながら、全庁で連携協働し、ユニバーサルデザインを積極的に推進してまいります。
基本計画におきましても、「全ての人々が個性ある人間として互いの人権が尊重され、多様な可能性が開花するユニバーサルデザインに貫かれた地域社会を実現します。」と謳われています。これは、SDGsの考え方や17の目標の内の一つである「すべての人に健康と福祉を」や「人や国の不平等をなくそう」にも繋がっているものです。
このSDGsの考え方は、持続可能な開発を目指し、「誰一人取り残さない」社会をつくることを目指しており、まさに、ユニバーサルデザインによるまちづくりの考え方と目標を同じくするものとなっています。
《質問3》
SDGs推進のための具体的な計画を検討するにあたりユニバーサル社会の実現に向けた着実な行動を取り入れていくべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
誰でも暮らしやすい、過ごしやすいまちづくりを目指すユニバーサルデザインによるまちづくりは、SDGsが掲げる17の目標のうち、「人や国の不平等をなくそう」や「住み続けられるまちづくりを」など、いくつもの目標と方向性を同じくしているものと認識しております。基本計画では、区を挙げてSDGsの推進に取り組むこととしておりますが、その具体的な取り組みとして、ユニバーサルデザインを推進していくことは非常に重要と考えております。
基本計画に掲げた、SDGsの推進を図るため、今後、具体的な取り組みを進めてまいりますが、その中でも重要となるユニバーサル社会の実現について、着実に取り組みを進めてまいります。
いっぽうで、本区のユニバーサルデザイン推進指針は、平成19年に策定されたもので、この間、区の取り組みも、社会状況も大きく変化しており、抜本的に見直す必要があると思います。
私は、平成17年3月の第1回定例会での一般質問で「浜松市ユニバーサルデザイン条例」をご紹介し、本区においても、「全庁を横断的に取りまとめる、ユニバーサルデザインを専門に担当する組織、リーディングプロジェクトを早急に立ち上げるなどして、区のすべての施策にユニバーサルデザインの視点を取り入れていくべき」ことと、「思いやりの心が結ぶやさしいまちの実現のために、ユニバーサルデザイン条例を制定し、真の意味のユニバーサル社会の実現を目指すべき」と訴えました。
あれから16年が経過していますが、この間の社会情勢や本区を取り巻く環境なども大きく様変わりしております。
最後になりますが、何としても本区独自のユニバーサルデザイン条例を制定し、真の意味のユニバーサル社会の実現を目指していただきますよう、心から願ってやみません。
《質問4》ユニバーサルデザイン推進指針からユニバーサル条例へ
ア、全庁を横断的に取りまとめるユニバーサルデザインを専門に担当する組織、リーディングプロジェクトを設置して、区のすべての施策にユニバーサルデザインの視点を取り入れるべきと思いますがいかがでしょうか。
イ、思いやりの心が結ぶやさしいまちの実現のための基本理念や区・区民・事業者などの責務、施策の推進目標などを定めた「ユニバーサル条例」を制定し、ユニバーサル社会の実現を目指すべきと思いますがいかがでしょうか。
《区長答弁》
ユニバーサルデザインによるまちづくりは、普及啓発、理解促進を図っていくことが必要ですが、それを具体的な取り組みとしていくためには、それぞれの事業の実施方法を検討するフローの中で、必ずユニバーサルデザインの視点を取り入れることが必要です。そうした取り組みを全庁的に浸透させていくためには、その推進を中心的に担う組織の強化も必要と考えております。また、区民や事業者と協働して、一層のユニバーサルデザインの推進に取り組んでいくためには、区としての姿勢を明確に示していくことも必要と考えております。
お話のとおり、ユニバーサルデザイン推進指針の策定から15年が経過していること、新たに策定した基本構想や基本計画に掲げたユニバーサルデザインに基づいたまちづくりを推進していく必要があることなども踏まえ、条例の制定についても検討してまいります。
『ユニバーサル社会の実現』につきまして、区長の積極果敢なご答弁をお願いいたしまして、私の最後の一般質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。
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